最高裁判所は、殺人の時効後、自首した男に、遺族に対する損害賠償を命じました(4/29朝日新聞)。
不法行為における損害賠償は、原則として不法行為の時から20年間で請求できなくなります。
しかし、今回は、加害者が被害者の死亡を隠し続けた事実を踏まえ、「相続人が確定してから六カ月を経過するまで時効は成立しない」という民法の規定を適用し、男の自首の時から時効期間が始まるものとして、損害賠償を認める結果となりました。
裁判官は、
「被害者の死亡を知り得ない状況を、加害者があえて作り出して二十年が経過した場合、遺族が一切の権利行使を許されないのは、著しく正義・公平の理念に反する」
と指摘。
もっともだと思います。
「正義・公平の理念」を法律が正当化するものです。
裁判員制度開始前に、いい見本となる判例になったと思います。
原田