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2012/09/14

社内報のご紹介  『メラメラ通信』初級第1回


当事務所では、スタッフの専門知識向上のために、様々な取り組みを行っています。
本日はそんな取り組みの一つ、社内報『メラメラ通信』をご紹介したいと思います。

読みやすい文章となっていますので、ぜひご覧ください。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

業務がもっと楽しくなる! 『メラメラ通信』 初級第一回    司法書士受験生メラメラがそっと教える、業務にすぐに役に立つ民法及び不動産登記法 たまに商業登記法

こんにちは。この度、メラメラ通信を発行する運びとなりました。
メラメラ通信の情報は、中央グループの業務をもっと面白くします。

なになに、法律については受験生じゃなくて本職の先生方に聞くからいい?
 うーん、ごもっともです。

ですが私たち受験生だからこその強みがあります。
それは、法律を学ぶうえで『使える条文のみ』を一途に覚えているところです。
メラメラ通信が社内の法律知識向上の一助になればと思います。


ここまで読んで『うわぁ、読むのがめんどくさそう』って思ったそこのあなた!心配ご無用!
メラメラ通信は諸先生方が書かれているような専門的にすぎることは書きません、というより書けません。

あくまでも業務ありきで、その法的根拠を明確にしていく...というスタンスです。

またメラメラ通信では、より日常の業務をイメージしやすくするために、対話方式をとりつつ解説を加えます。
しかも重要な条文まで掲載します。

よって   「ちょっと長い!」   です。


ただし、約束します。
1 法律事務所であるがゆえにどの部署でも役に立つ
2 年金もへっちゃら。チェック業務もできちゃう
3 業務のなぜ?が根っこからわかる、だから仕事がおもしろくなる


不動産登記法は手続法です。手続きの方法を決めた法律です。
「そうやれって言われたから...」や「良く知らないけど多分...」は卒業しませんか?
私たちの業務にはすべて根拠があります。それは法律です。
法律の基礎を知る事は、業務の基礎を知る事と同義です。
フローを覚え、根拠を固める。これで自信がつき、業務が速くなること間違いなしです。


前置きが長くなりましたが、さっそく始めましょう。記念すべき第一回は『登記識別情報はなぜ重要なのか』です

あれですよあれ。一日に何度も目にするあの緑色の紙。
『大事だぞ』 『無くすなよ』
皆さんも耳にタコが出来るほど言われた事でしょう。

ある日、新入社員のマスオさんがメラメラの隣の席に配属されました。そうです"あの"マスオさんです。

おやおや、さっそくマスオさんの机の上に登記識別情報がだしっぱなしのようですよ

メラメラ「マスオさん、登記識別情報だしっぱなしで席離れちゃだめじゃん、入社して最初に言われたでしょ!」

マスオ「いやぁ、ちょっとコピーしに行ってただけじゃないか」

メラメラ「はぁぁ、マスオさん、大騒ぎになる前に確認しておこうか。識別ってなんで大事なのか知ってる?」

マスオ「えぇっと...代わりがない...から?」

メラメラ「ふーん、根拠は?」

マスオ「いやぁ、入社した時にそう言われたからだよ」

メラメラ「相川さんや栗原さんに言えば、どうにかなるんじゃないの?」

マスオ「あ、それもそうだねぇ。じゃあ無くしたときはこっそり相談してみることにするよ」

メラメラ「はい!だめぇー!全然だめぇー!もう!自分の目で不動産登記法をみてごらんよ!どこかに登記識別情報の再通知の手続きの方法が書いてあるかい?」

マスオ「......あれ......?」


そう、登記識別情報の用紙の再発行という手続き自体が存在しないんです。
民法にも、不動産登記法にも、不動産登記施行規則にも、不動産登記令にも、どこを探したってありません。

法定されていない手続きをお役所がしてくれますか?してくれませんよね。(お役所の融通の利かなさは周知のとおりです)

だから、永井さんに言っても高地先生に言っても、ありったけの勇気をふりしぼって原田さんに言ったところで 『次からは気をつけろよ』 なんて登記識別情報が手に入る事はありません。

だって、そもそも法務局が発行できないのですから。

もしも勝手に事務所内で代わりに作っちゃったとしたら、それは刑法155条、有印公文書偽造罪です  おそろしや?

マスオ「メラメラくん、取り返しがつかないっていうのはもうわかったよ。じゃあ、登記識別情報ってそもそもいつ通知されるのさ」

メラメラ「お、マスオさん、積極的だねぇ。うーん、マスオさんはいま機構移転をやってるよね?」

マスオ「そうとも。ゆくゆくは借換や売買もやっていくつもりさ」

メラメラ「うんうん、じゃあね、機構移転で扱ってる抵当権移転登記の『権利承継者(申請人)』はだれか見た事あるかい?」

マスオ「じゅ、住宅金融...ゴニョゴニョです」

メラメラ「どうしたのマスオさん、声が小さくなってるよ?正解は『住宅金融支援機構』だよ。じゃあ抵当権移転登記完了後の『登記名義人』はだれだい?」

マスオ「じゅ、住宅...ゴニョゴニョ...です』

メラメラ「大丈夫、マスオさん、自信もって。正解はどちらも『住宅金融支援機構』だよ。マスオさんが入社してから、機構移転はオンライン申請だけだから申請書自体を見る機会が少ないよね。」

マスオ「そうなんだよメラメラくん。どうもピンとこなくてね」

メラメラ「マスオさん、自慢げに言ってる場合じゃないよ。申請書をPCの画面上でいいから見てごらん。完了謄本でも手元にあれば、完璧だよ」

登記識別情報は『申請人が自らが登記名義人となる場合』にのみ通知されます(不動産登記法21条)
登記をしたからといって登記識別情報が発行されるのではありません。必ず発行されるのは登記完了証のハナシです。

おっ、それ知ってる!と思ったそこのあなた。さては名札があずき色以上ですね?
まさかの...白色?...すばらしいです。


不動産登記法第21条
登記官は、その登記をすることによって申請人自らが登記名義人となる場合において、当該登記を完了したときは、法務省令で定めるところにより、速やかに、当該申請人に対し、当該登記に係る登記識別情報を通知しなければならない。  以下省略
メラメラ「どう?マスオさん。完了謄本見た?」

マスオ「メラメラくん!なってるよ!完了謄本で抵当権者が住宅金融支援機構になってるよ!」

メラメラ「そう、申請人自らが登記名義人になったね。識別が法務局から届いてるでしょ? 21条の条文で大事なとこなんてココだけだよ」   重要ポイント【申請人自らが登記名義人】

マスオ「わかったぞ、じゃあ登記を申請した人に登記識別情報は通知されるんだね」

メラメラ「ブブーッ!違うよマスオさん、どうしてそう安直なんだ。わかったよ、天下の不動産登記法にメラメラがわかりやすく文章を追加してあげる」


メラメラ不動産登記法第21条
登記官は、その登記をすることによって申請人自らが『あらたに登記名義を取得し』登記名義人となる場合において 以下省略
※カッコ内につきメラメラが加筆

6階の業務を行ってる方にはおなじみですが、抹消や変更の登記では登記識別情報が発行されることはありません。
新たに登記名義(権利)を取得し登記名義人(所有者や抵当権者)になる訳ではないからです。
登記識別情報は保存、設定、移転や限られた更正登記等において通知されます。


さあ、いよいよ本題ですよ。なぜ登記識別情報は重要なのか。
ザックリと言いますが、不動産登記法においては、登記識別情報に記載されているパスワードを知っている人を権利者と判断します。


登記識別情報とは、古い言い方をすれば権利証です。
そんなのコトバ聞いたことないよ、などと聞こえてきそうですが、実は子供の頃から目にしている単語のハズなんです。

なんとそれは漫画です。
こんなシーンをみたことがありませんか?


借金取り「今日という今日は、ミミをそろえて全額返済してもらいますでぇ」

借り主「で、でも、無いものは無いんですぅ」

借金取り「じゃあしかたありまへんな。借用書に書いてあるとおり、ここの土地屋敷、全部もらいまひょか」

借り主「そ、そんな...この家をとられては生活が...」

借金取り「なめたらあかんでぇ!きっちり借用書に書いてありまんのや。でるとこでてもいいんやでぇ」

借り主「......わ、わかりました ガサゴソ」

借り主奥さん「あなた...その権利証をわたしてしまったら、私たちは...」

借り主「だって...しょうがないじゃないか...」

借金取り「うひゃひゃひゃ、これでここの土地屋敷はワイのもんやでぇ」

はい!これ!これが権利証、現在でいうところの登記識別情報なんですよ!
漫画ではこの後、主人公がさっそうと助けにくるのですが、実社会では望み薄です。

家を失った夫婦がこの後どんな運命をたどるのか...ブルブル  権利証の重大さをイメージして頂けたかと思います。

(実際は権利証を失ったことだけで、借金取りに家をとられはしませんが)

さて、登記識別情報には12桁のパスワードが書いてあるのはご存知ですね。現在ではモノとしての権利証は発行されず、登記識別情報が... より正確に言うならば、発行時から目隠しされており、真正な登記名義人以外が知りうるはずの無い12桁のパスワードを知っていることが、権利者である証となります。

えっ?メラメラ間違ってるじゃん!と思ったそこのあなた!さてはチェッカーさんレベルですね?
そうです、現在でもBOOKの場合は、申請書に登記済印が押されて事務所に返ってきますよね。これが例外!現在でも発行される、モノとしての権利証です。

ちなみにBOOKとは、法務局が登記簿をオンライン化することが出来なかったため、今でも書面申請しかできないものを言います。
ではなぜ、オンライン化する事ができなかったのか。疑問に思ったメラメラは栗原さんに突撃取材しました

栗原さん「所有権の共有持分を全部たしても1にならなかった不動産等、不具合があるときはBOOKなんだってさ」

えぇぇーっ!なにそのよくわからない理由!法務局!納得できんぞ!
でもお役所ができないっていってる以上、僕がどうにか出来るワケありません。 男は黙って書面申請です(最近やってないケド)。


そんなこんなで初級第一回は終了です。   今日の重要ポイント【申請人自らが登記名義人】


今日の業務で登記識別情報を目にしたら、反射的にこう考えてください。

『おっ、21条 申請人自らが登記名義人になったな』


条文がポロッと言えます。なんかカッコいい!
業務中に思わずニンマリです。

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