「成年後見人とは・・・?」
不動産登記のご依頼をいただくときに、「土地の所有者である父親が
認知症なので、委任状を代筆していいですか?」というような
お問い合わせをいただくことがあります。
このようなお問い合わせがあったときには、もちろん「代筆していい
ですよ!」とはお答えできません。では誰が委任状を書くのかというと、
「成年後見人」の方に書いていただきます。
成年後見人とは、本人に代わって法律行為を行い、財産の管理をしたり、
本人が日常生活に困らないよう援助する人のことです
(なお、成年後見制度のなかには、本人の障害の度合いに応じて、
「後見」「保佐」「補助」がありますが、今回はこのなかの「後見」のみ
記載させていただきます)。
当事務所では、ご家族の方やご親族等、日常生活の手助けをしている方が
成年後見人になることをお勧めしています。しかし、成年後見人は、
「いつも面倒をみている私がなります!」と周りに宣言するだけでは
なることができません。
成年後見人になるためには、家庭裁判所に「成年後見の申立て」をし、
その候補者が成年後見人にふさわしいと判断されて初めてなることができます。
成年後見人になると、本人の財産管理をする必要があります。
例えば、本人に代わって預貯金の管理をし、日々本人が使うお金の
出納を記録したり、本人が施設に入るときの契約を締結したりします。
また、冒頭で例にあげたような、不動産に関しての手続きを本人に
代わって行うようなこともあります。
これは、本人の病状が回復したり、亡くなるまで続きます。
よって、冒頭のように、不動産登記の手続きをする必要があって
成年後見を申し立て、成年後見人になったとしても、その手続きが
終わったから成年後見人の仕事もおしまいというわけではありません。
ご高齢のご家族がいらっしゃる方や、いずれご自身が高齢になったときに、
成年後見制度を利用したいという方もいらっしゃるかと思います。
成年後見人が決まって後見が開始されるまでは、場合にもよりますが、
家庭裁判所に申し立ててから、3?4か月ほどかかります。
もしご興味のある方がいらっしゃいましたら、早めにお手続きを
ご検討くださいね。
(相川)
参考:さいたま家庭裁判所発行「成年後見申立の手引」
法務省HP 成年後見制度のページ
(http://www.moj.go.jp/MINJI/minji17.html#a18)
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