どれほどの困難にぶつかっても、最後には必ず勝つという確信を失ってはならない。
そして同時に、
自分がおかれている現実の中でもっとも厳しい現実を直視しなければならない。
/ジム・ストックデール氏
アメリカ元軍人のジム・ストックデール氏の言葉です。
冒頭の言葉は、
書籍「ビジョナリー・カンパニー(2)飛躍の原則」ジム・コリンズ著で
「ストックデールの逆説」
と称して紹介されています。
ストックデール氏はベトナム戦争で捕虜生活を8年間過ごしました。
その間、拷問を受け続け、何ら希望が見えない状況で生き抜いたものの、
釈放されたときには、まっすぐ立つことすらできなかったそうです。
辛い捕虜生活において、厚遇されている捕虜として宣伝されようとしたとき、
自ら顔を切りつけたり、叩きつけたりしたこともあったそうです。
まさに「最後には必ず勝つという確信を失って」いなかったからこそ成り立つ精神力ですね。
また、ストックデール氏は、
捕虜になった将兵仲間たちの生き抜く目標を提供しようとし続けました。
捕虜同士の間でモールス信号のような連絡手段を作り上げて、捕虜一人一人の孤独感を和らげ続け、
その連絡手段で、拷問に耐えられなくなったときにしゃべってもよい内容を決めていたそうです。
「誰も拷問に耐えることはできない」という
「自分がおかれている現実の中でもっとも厳しい現実を直視」して行動した訳です。
冒頭の言葉の説得力が増しますね。
そんな中でも、捕虜になった将兵の中には、やはり耐えられず死んでいく人もいたそうです。
ストックデール氏から見て、耐えられなかった人の特徴は、
「楽観主義の人」にに
と断言しています。
意外に思われるかもしれませんが、
「厳しい現実の直視」を怠ったために、
厳しい現実に直面するたびに「最後に必ず勝つ確信」(=希望)が失望に変わり、
死んでいったそうです。
「最後に必ず勝つ確信」と
「厳しい現実の直視」を
両立することが重要なんですね。
「厳しい現実の直視」を実践して対応すれば、たとえ失敗しても、獲得する経験により自分が強くなることがあっても、弱くなることはありません。
反対に「厳しい現実の直視」から逃げれば、逃げきれなかった時には弱くなるしかありません。
現実から逃げて、弱くなって衰弱していくか
現実を直視して、強くなって勝つのか
人生において、すべての困難を避けることは不可能です。
避けられないのであれば、どうやって困難に対応するかを考えなければなりません。
「必ず勝つと確信」して「厳しい現実」にぶつかっていきましょう!
(原田)