皆さんこんにちは。
法律の世界では難解な用語や、日常と違う意味で使う用語が多々あります。
これらを皆様にわかりやすく解説していく「知っておきたい法律用語」のコーナーです。
今日は「正当防衛」という用語を解説します。
「急迫不正の侵害に対して、自己又は他人の権利を防衛するため、やむを得ずにした行為は、罰しない。」
これが有名な正当防衛を定めた条文です(刑法36条)。
あまりにも有名なこの言葉。
しかし、「他人の権利を防衛するため」にも正当防衛が認められることを
知っている人は少ないのではないでしょうか?
「理由もなく、ナイフで突然切りかかってきた男を突き飛ばした。その結果、切りかかってきた男は階段から転んで骨折した。」
このような場合は普通、正当防衛が成立します。
これは「自己の権利を防衛するため」の正当防衛です。
ポイントは次です。
「理由もなく、ナイフを持った男が、わたしから少し離れて歩いていた友人に突然切りかかってきたので、わたしは友人を守るため、その男を突き飛ばした。その結果、切りかかってきた男は階段から転んで骨折した。」
このような、「他人の権利を防衛するため」にも正当防衛が成立するのです。
いわれてみれば当たり前かとも思いますが、意外と盲点なので知っておくとよいでしょう。
(栗原)