相続人に未成年者がいる場合、遺産分割の手続きはどのようにしたらよいのでしょうか?
父親、母親、子供A、Bの4人の家庭で父親が死亡した場合、
相続人は母親、子供A、Bの3人となります。
未成年者は単独で有効な法律行為を行うことができず、
法定代理人が代理するか、法定代理人の同意を得る必要があります(民法5条)。
そこで、未成年者の法定代理人である母親が遺産分割協議に参加するのでしょうか。
母親が未成年者である子供を代理して、遺産分割協議に参加することはできません。
遺産分割の協議は、被相続人の財産をどのように分けるかを協議するものであり、相続人間で利害が衝突する可能性があるからです。
このような場合、母親は未成年者のために、
家庭裁判所に特別代理人の選任の申立てをしなければなりません。
未成年者の子が複数いる場合、それぞれの子について
別の特別代理人を選任しなければなりません。
特別代理人は、未成年者の叔父・叔母など相続人でない親族が選任されたり、
場合によっては弁護士などの専門家が選任されることもあります。
特別代理人の選任の申立てにあたっては、遺産分割協議(案)を提出します。
そこで、「母親がすべての財産を相続する」といった
未成年者に不利な案は認められない可能性があります。
遺産分割協議書には未成年者の相続人に代わり特別代理人が署名捺印をします。
また、相続登記の際には特別代理人の印鑑証明書を添付します。
したがって、子供の実印を作る必要はなく、
幼い子供で字が書けない場合でも問題ありません。
未成年者がいるにもかかわらず、特別代理人を選任せずに
遺産分割協議を行ったらどうなるでしょうか?
その遺産分割協議は無権代理行為として、
未成年者が成人に達した後に追認しないかぎり、無効となります。
後々のトラブルにつながらないよう、未成年者がいる場合の遺産分割協議は
慎重に進めなければなりません。
(萩原)
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