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2015/01/06

法律ワンポイント：「ないことの証明」

世の中には証明書がたくさんあります。
免許証、印鑑証明書、住民票、戸籍、資格証明書、卒業証明書、結婚証明書・・・
決められたレベルまでの知識や技能が無いと出来ない業務などには、
その資格があるかどうかを確認できる証明書は欠かせません。
これは、成しえたことや存在することなど、「あることの証明」です。

これとは逆に、「ないことの証明」もあるというのを知っていますか？

例えば「登記されていないことの証明」です。
何のことやらさっぱり、という方が多いかと思います。
この「登記」というのは、成年後見・保佐・補助・任意後見登記のことで、
平たく言うと、ある人が大事なことを判断する意思・能力がない場合に、
その人に代わって判断すべき人を登記しているもので、
登記されている人は判断する能力が無いことになります。
法務局で登記されており、証明書も法務局で取得します。

これと似たようなもので、市区町村が発行する「身分証明書」があります。
こちらは禁治産宣告・準禁治産宣告などの欠格条項に該当しないことを証明するものです。

また、そこに住んでいないことや、
本籍を置いていないことの証明である「不在住証明」、「不在籍証明」や、
税金の未納・滞納がない「滞納がないことの証明書」なども、
市区町村で取得することができます。

一般的に、あることの証明は簡単です。
あるという一例を証明すれば良いわけですから。
しかし、ないことの証明は、全ての事象を調べた上で「ない」と証明しなければなりません。
存在しないことの証明は悪魔の証明とも言われ、完全な証明は不可能とも言えます。
上記であげた「ないことの証明書」も、それだけで足りるものではなく、
他の書類とともに提出し、総合的に判断される一つの材料（消極的な証明書）
として扱われることが多いようです。

私もこの事務所に入って初めて、
ないことを証明する場合もあるんだなぁと興味深く感じたのを覚えています。
触れることは少ないと思いますが、こういう証明書があるということをご紹介したいと思いました。
興味のある方は、上記の証明書を詳しく調べてみてはいかがでしょうか。

（国見）
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