業績悪化や業務縮小、倒産などが理由で、大学生の採用内定の取り消しをする企業が
出てきたそうです。(11月1日朝日新聞)米国発の金融危機や株価下落の影響が新卒
の就職にまで及んでいるとのことです。
採用内定の取り消しは、法律上問題ないのでしょうか?
採用内定が、労働契約の成立と見ることができるかどうかで採用内定取消しの法律上
の扱いは異なります。採用内定が労働契約の成立とされた場合、従業員のリストラと
同じように考え、一定の要件を満たさなければ採用内定取消しは認められません。
それでは、労働契約の成立かどうかはどうやって決まるのでしょうか?
個々の具体例で判断するしかありませんが、裁判例では、採用通知に入社関係書類の提
出や勤務場所の通知があった場合、採用通知に採用の日・配置先・採用職種・身分を具
体的に明示してあった場合に労働契約の成立とされています。
労働契約成立後の採用内定の取り消しは、合理的な理由がある場合に、認められること
もあります。具体的には、内定者が卒業できなくなった場合、採用内定後に犯罪を犯し
た場合、健康状態の悪化などによって職務遂行に必要な能力を欠くことになった場合な
どです。
経営の悪化が採用内定の取り消し事由に当たるか否かは、個別の判断が必要になります
が、経営の悪化を理由とした採用内定取り消しは、従業員のリストラ同様、簡単にはでき
ないものと考えるべきでしょう。
このように、採用内定取消しは、トラブルになりやすい問題です。企業のご担当者も学
生さんも法律上の取扱いを知った上で、ご対応されることをお勧めします。
(相川)
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