ブタからの感染によって始まった新型インフルエンザが、最近世界中で猛威をふるっ
ています。メキシコにおいて発生しており、現地では1000人以上の感染と60人以上
の死者がでていると報じられています。また、メキシコ以外にも感染が広がっており、
日本でも数人の感染が確認されており、感染の予防と、水際でいかに食い止めるかの
対策が練られています。現在、日本では死者は出ていませんが、今から90年ほど前に
流行したスペイン風邪では、日本でも多くの被害者が出ました。
スペイン風邪とは、1918年から翌1919年にかけて、全世界に流行したインフルエンザ
のことで、当時感染者は6億人、死者は5000万人に及びました。当時の世界の人口が
18億人であったと言われているため全人類の3割がこの風邪に感染したことになって
います。
日本でも当時の人口5500万人に対して39万人が死亡したといわれており、猛威をふ
るっていました。
この風邪は、まず米国シカゴ付近で流行し、その後当時行われていた、第一次世界大
戦による米軍のヨーロッパ進軍によって、ヨーロッパで流行し、更に病原体が強まり
重症な合併症を引き起こして死者が急増しました。
この風邪の名称の由来は、スペイン王室での流行が大きく報じられたことから名付け
られたと言われています。
医学の発達した現在では、これほど多くの死者が出ることはないかもしれませんが、
有効な予防手段が確立していない現在の状況では、これ以上感染が拡大しないように、
我々も状況をニュースなどで確認し予防に努めていきましょう。
(大石)