自宅にいながらインターネットでお買い物ができちゃう時代。
便利な世の中になったものです。
でも、値の張る商品だったり、あるいは宿泊予約のような場合、
「ちゃんと取り引きできたかな?」と不安になることもありますよね。
今回は、「インターネットで買い物などをした場合、
どの時点で契約が成立したことになるの?」というお話です。
契約は「申込」と「承諾」の意思表示の合致で成立します。
意思表示は、それが相手方に到達したときに効力が発生するのが原則です。
これを法律の世界では「到達主義」といいます。
もっとも、契約取引においては迅速性が要求されるので、
「契約における承諾」の意思表示については、
それを相手方に向けて発信したときに効力が発生し(「発信主義」といいます)、
その時点で契約が成立するとされています。
これは、迅速性が要求される契約取引において、
申込者が契約の成立と不成立の両者に備えておかなければならないというデメリットよりも、
承諾の通知を出した後すぐに承諾者が契約の履行の準備に入ることができるメリットを
優先したためと言われています。
それでは、電子契約取引の世界ではどうでしょう。
電子メール等の電子的な方式による契約の申込みやそれに対する承諾の通知は、
ほとんど瞬時に相手方に到達してしまいます。
現代におけるIT社会の実態を踏まえれば、
電子契約取引の世界においては、わざわざ原則を修正してまで「発信主義」をとる必要性はなく、
原則通り「到達主義」を貫徹すべきでしょう。
そこで、電子契約法(電子消費者契約及び電子承諾通知に関する民法の特例に関する法律)は、
電子契約取引の場合、原則通り、承諾の通知が相手に到達した時に効力が生じ、
その時点で契約が成立すると定めています。
ここで注意して欲しいことがあります。
「通知が相手に到達した時」とは、承諾を通知する電子メールが相手方で読み取り可能な状態になった時点、
すなわち相手のメールサーバーに届いた時点を指すと言われており、
実際に申込者がメールを読んでいなくとも契約は成立してしまうということです。
インターネットで商品の購入を申し込んで、その後、業者から承諾の通知メールが届かないからといって、
「契約は成立していない」と決めつけてはいけません。
「契約は成立している」場合も十分考えられるのです。
なぜなら、一旦あなたのメールボックスに承諾の通知メールが記録されたけど、
それを読まない内にシステム障害でメールが消えてしまっている場合もあり得るからです。
承諾通知のメールがなかなか届かない場合は必ず業者に連絡をとって確認してみてください。
間違っても、契約不成立と決めてかかってもう一度同じ商品の購入申し込みをしてはいけません。
運悪く二重に代金を請求されてしまう可能性があります。
気を付けてくださいね。
(大竹)
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